2011年の棚卸

自分の2011年を棚下ろす。

意外にも今年はじめに書いた自分のキャリアの棚卸、これから先のキャリアを真面目に考えてみた
の通りに事が進んだ年だった。想いの力は重要だと再認識。
あとこのブログは社内の人も読んでくれていると思うので暗
に協力してくれたのかもしれない。自分の考えをアウトプット
しておいてよかった。今の僕は順調にプロジェクトを推進する
職務を全うしている。


さて、それでは自分の2011年を事象別に書いていく。

社内基幹システムプロジェクト

なんといっても2011年はこれに尽きる。
2010年の11月頃に業態の変化に伴って管理画面を改善しようという
話になったけど要望をまとめてみると改修範囲は広いし影響範囲も広い。
会社が要求するフィーチャーはある程度巨大であったため1年がかりの
プロジェクトになるという意思決定を経営陣とともに行った。
正式に稼働したのは新たにエンジニアを加えた2011年1月ごろから。


地震とかプロジェクト進行の遅延はあったが11月に何とか第一弾を
リリース。データ構造、オブジェクトの概念設計はほぼ要望に
構築できた。全エンジニアの業務理解レベルもかなり高かった。
朝会、ペアプロ、コードレビュー、TDD、イテレーション開発、
ピアレビュー、いろいろな開発手法を実践してみた。どれもとても
素晴らしい手法だった。


プロジェクトの遅延以外は順風満帆に見えるが、UIの問題が
大きかった。オブジェクトの設計に注力しすぎていてUIの設計が
お座なりになっていた。一応今回の改修は過去よりも概念が増えて
いるので触れるべき画面も増えるがそれでも使いにくすぎた。
自分にUIのセンスなさすぎてへこんだ。

ユーザへのFB時間もしっかりとっているつもりだったが所詮つもり
でしかなかった。ユーザの真に要求するものを捉えることが出来て
いなかった。ユーザ要求を捉えることが出来なかった原因として、
モデル設計の成功やUIに関しては勘違いがあった。2012年はこの
問題を改善すべくさらにユーザに近く、要件定義やFBの仕方を改善
して取り組んでいく。既に2011年の末にFBの期間を更に短くし、
ユーザの近くに座席を配置するなど施策は打てている。

Developer Summit 2011

ここで多くの優秀なエンジニアの開発プロセスを聞いたのでTDDや
TiDD、コードレビューやペアプロをプロジェクトに組み込もうと
奮起できた。また、2012年もデブサミに積極的に参加していく。

エンジニア志望の新卒採用の面接官

2011年に初めて面接官になった。ただし、新卒採用の面接は
あまり良い印象がない。学生が何を目的に会社に入りたいのか
いまいちよくわからなかったためだ。正直、新卒という人材の
市場にはあまり魅力を感じなくなった。


でも、もしかしたら僕自身に学生の個性を引き出すような能力が
無かったからかもしれないけど。来年はもう少しひねりを効かせる。

東日本大震災

社内基幹システムプロジェクト(このときのエンジニア総数3名)に
アサインされていたエンジニアが一人、約一ヶ月間故郷に帰って
しまったことが痛手だった。「災害というリスク」が存在してそれが
顕在化してしまうということをこのとき強く認識した。


また、電力供給の問題でデータセンターの停止可能性が浮上した。
一応なんともなかった。
いざとなったらデータセンターが使えなくなっても即時プロダクトを
別のデータセンターやクラウドに切り替えられる設計にしなければ
ならないと思った。

退社ラッシュと入社ラッシュ

地震直後から退社する人が増えた。ひとつに「俺は今のままでいいんだろうか?」
的な思考をする人がいたのかなと思った。地震で業務が止まって忙しい状態から
解き放たれた人はふと自分を俯瞰して見るという行動を取るのかもしれない。
地震後ということもあってかなり社会的にも社内的にも不安が蔓延していて
嫌な雰囲気だった。


退社ラッシュは部署によっては引継ぎが中途半端になってしまっているところも
あってつらそうだった。以前から引継ぎが疎かだったため見事に顕在化した。
これを受けて僕は引継ぎの風土を推進していかなければならないと心に誓った。
引継ぎを軽視してはならない。


退社ラッシュのあとは逆に入社ラッシュが訪れた。
入社ラッシュ、今年初めに立ち上がったアジャイル戦略室の影響で2011年は
後半からアジャイル開発手法が社内に浸透していったように感じる。

色々な勉強会

SICP読書会

2011年後半は出席できていないが、習得した関数の抽象はかなり参考に
なったので実務で応用した。

プログラマが知るべき97のこと読書会

ランチ時間中に開催。他部署の人と交流できて良かった。

アジャイルサムライ読書会

ランチ時間中に開催。他部署の人と交流できた以上に、他部署の事情や
事例を聞くことができて良かった。当たり前だけど他部署の問題の種類や
規模は自部署とは異なっている。僕はその問題の捉え方や対応方法を話し
あったりするがすごく刺激的で面白かった。
また、その流れでアジャイルサムライ読書会の他流試合という勉強会で
LTをやらせてもらえた。うまく話せなかったのは反省点だけど。

DDD読書会

2011年の後半から始まった。これも他部署の事情がすごくよくわかって
面白かった。自部署の事例なども話ができて助言も沢山頂けた。

これから先

設計のスキルを高める

設計が優れていなければどんなに開発手法が優れていようと無意味だ。
それを痛感した年だった。設計が破綻しているプロダクトは近いうちに
破綻する。引き続き業務の設計、オブジェクトの設計に注力したい。

OSSプロジェクトに貢献する

OSSに職を提供してもらっているのでその恩返しがしたい。
個人的なところで2012年は何かしらの部分でOSSプロジェクトに
加わってみる。

2012年に理解するテクノロジー

次のテクノロジーは業界で標準になると思っている。
ちゃんと習得しておきたい。

  • github
  • Jenkins

あと個人的にはSymfony2が楽しそうなので使ってみる。


以上、本年もよろしくお願いします。